「久しぶり、元気だった?」「卒業式楽しみだね」。宮城県南三陸町の避難所の総合体育館で24日、同町立志津川小学校(児童数457人)の「あおぞら教室」が開かれた。友達との再会に歓喜の輪が広がる一方、亡くなった友達に会えず、ふさぎ込む子もいた。
震災の影響で18日に予定されていた同校の卒業式は28日に延期。この日は、町内の避難所計6カ所で「あおぞら教室」と題して、無事を確認し合った。
午前10時ごろ、総合体育館前には約40人の児童が集まった。避難生活を送る6年生の三浦結花さん(12)は「やっと友達に会えた」と笑顔。卒業式のために準備したはかまは津波に流されたが、「卒業証書をもらえるだけで十分」と話した。
5年生と1年生の息子2人を連れてきた佐々木しげ美さん(41)も「朝から『早く行こうよ』ってせっつかれて。子どもの笑顔には元気をもらえます」とほほ笑む。
同校では1年生の男子児童が被災して死亡。級友の山口正泰くん(7)は「会えなかった……」とうつむいた。父親の正浩さん(39)は「亡くなったのを教えても『何で会えないの?』って。まだぴんとこないみたい」と正泰くんの頭をなでた。